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不安がある人も、裕福な人も「チャリティー番組」批判したくなる? 「偽善」論争が盛り上がる心理

不安がある人も、裕福な人も「チャリティー番組」批判したくなる? 「偽善」論争が盛り上がる心理

チャリティー番組はなぜ批判される!?(写真はイメージ)

 新型コロナウイルスの流行が続く中、2020年8月22日から23日にかけて放送された「24時間テレビ43」(日本テレビ系)。初の無観客での実施という点を含め、今年も視聴者から大きな注目を浴びたが、そんな中、例年のように上がる番組への不満が、今年も一部視聴者から漏れていた。 ■今年は番組出演者も「偽善」言及  あるツイッターアカウントは、「チャリティーは出演者は出演料を貰わないのが原則、出演者に金が支払われ、スポンサーからも金が出る」として、番組への不満を吐露。また、別のアカウントは「24時間テレビを作る製作費を全部チャリティーに回せば良いんじゃね?って毎年思ってたりする」と、番組への製作費そのものを寄付した方が効率が良いと指摘している。  ほかにも、 「全員ノーギャラで出演すべきだ。チャリティー番組の趣旨から外れている。あんな偽善番組は大嫌い」 など、番組を「偽善」と称して批判する声は、もはや「お決まり」となっている感がある。  しかし、24時間テレビが放送されることで、助け合いの精神の醸成といった番組側による社会への貢献は確実に期待できるとの声も小さくない。  特に今回の放送では、番組出演者らからもこうした「偽善」論への言及があり、J-CASTニュース編集部でもそれについて報じたが(24時間テレビで「偽善」に言及 高橋尚子さだまさし…出演者の「訴え」、ネットはどう受け止めた?)、これも議論の盛り上がりに拍車をかけた。  J-CASTニュース編集部では、これら、番組を批判する人々について、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏に、心理学的な観点からの分析を依頼した。

「自分にはできないことをやれと言われている」感も要因に?

 まず、鈴木氏は番組に対して批判が上がる理由として、「24時間テレビを主催する日本テレビや出演者そのものが実は嫌いである」「批判の声に便乗しているだけの愉快犯」という場合もあると指摘。その上で、より複雑な思いで番組を批判している視聴者の存在を挙げた。 「『自分の将来に漠然とした経済的な不安』を抱えている人は、24時間テレビなどのチャリティー番組を見ると不快感を覚える可能性があります。『明日の金にも困っている』という状況ではないことがカギです。『明日の金にも困っている人』の脳裏には、そもそも、『募金しよう』などという思いは浮かびませんが、そこまで困窮していない『漠然とした経済的な不安』を抱えている人」には『当面の金』はあるので、そのような人の脳裏には、チャリティー番組を見るとどうしても『募金した方がいいのかな?』といった思いが浮かんでしまいます。しかし、不安がある以上、実行には移せない。つまり、『自分にはできないことをやれと言われている』ように感じてしまうため、番組に不快感を抱き、その結果として批判してしまうのです。今や不安定雇用が当たり前の時代となっていますから、そのような思いを抱く視聴者は多いはずです」  さらに、鈴木氏は他の理由にも言及した。 「社会、会社、家庭での自分の立場や地位が低いと感じている人も、チャリティー番組を批判してしまうでしょう。これらの人は、『自分は自己主張ができていない』『指示や命令のみを受けてばかりでつまらない』『自らの意見が通らない』といった不満を常日頃から抱えているわけですが、このような思いがある人は、チャリティー番組をはじめとする社会貢献的イベントに対して反感を抱きがちです」  また、鈴木氏は、逆に「成功」した人であっても、こうした番組を批判してしまう可能性を指摘する。 「『自分は人生において人の助けを借りずにここまでやってきた』と考える自信家や、成り上がり志向が強い人、及び、実際に成り上がった人はチャリティーの要素である『所得再分配』的な発想を嫌います。これらの人々は、『募金しても自分には何らメリットはない』『募金に応じるのは搾取されることだ』『労働以外で得られる所得や利益は不正なものである』といった考えを抱いていることが多く、その結果、チャリティー番組に反発してしまうのです」 (J-CASTニュース編集部 坂下朋永)