未分類

涙の求職女性「募集は終わったと断られて…」失望の日々、企業側も苦境

涙の求職女性「募集は終わったと断られて…」失望の日々、企業側も苦境

(写真:読売新聞)

 埼玉労働局が2日に発表した8月の埼玉県内の有効求人倍率(季節調整値)は0・96倍で、5年3か月ぶりに1倍を下回った。新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業の業績悪化で、求人数が減少した一方、失業による求職者が増加したのが要因。記者会見した同労働局の増田嗣郎局長は「1倍を超えているのが当たり前の状況で下回ったのは、一つのポイントとして重く受け止めなければならない」と語った。  有効求人倍率は、ハローワークに登録している求職者(有効求職者数)1人に対し、企業からの求人数(有効求人数)がどれくらいあるかを示す指標。1倍なら、1人に対し、1件の求人があることを示す。  県内ではリーマン・ショック後の2009年7~9月と同12月~10年1月に過去最低の0・38倍を記録。その後は改善し、15年6月に1倍を超え、18年6~9月には過去最高の1・52倍となった。  だが、新型コロナ感染拡大が本格化してからは再び悪化し、今年6月以降は1・10倍を割り込むようになっていた。  業種別では、美容室など生活関連サービス業の求人が最も落ち込みが大きく、前年同月と比べ50・8%減少した。製造業は前年同月比43・8%減、宿泊・飲食サービス業も同38・9%減だった。人数別では製造業の減少が顕著で、特に県内に生産拠点がある化粧品製造業では、テレワークやマスクの着用が広まったことで化粧品の需要が落ち込み、新規求人が減少したという。  一方、8月の有効求職者数は9万1465人で、7月から6・8%増加した。仕事を探しているのに仕事がないといった完全失業者の数は、県内で12万1000人になった。  県内の有効求人倍率が1倍を下回ったことについて、大野知事は取材に「コロナでこういった状況になったことは残念。雇用調整金を使いやすくするような相談会やマッチングなど、一つ一つ丁寧に進めていく」と述べた。 ■失望の日々「仕事就ける兆しない…」  新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい雇用情勢が、県内でも明らかになった。職を求める人や、人手不足でも求人できない企業からは、悲痛な声が聞かれた。  さいたま市浦和区の「ハローワーク浦和」を2日に訪れた女性(50歳代)は、コロナ禍の中で勤務時間を減らされた東京都内の会社を辞め、この夏から仕事を探し始めた。だが、求人の少なさに毎日失望しているという。女性は「求人は限られ、気になった会社に連絡をしても、すでに募集を終えたと断られる。仕事に就ける兆しが見えない」と目に涙を浮かべた。  人材派遣会社「スタッフサービス」(東京)によると、県内の求人件数は今年5月には、前年同期の約5割まで落ち込んだ。現在は約7割まで回復したものの、厳しい状況が続いている。同社の安田光治さん(42)は「経営が厳しく、働き手が足りなくても求人しない会社が多い。通勤中の感染への不安から近場で働きたいという求職者が増え、希望の職場を見つけるのが難しい状況」と説明する。  さいたま市大宮区で豚料理専門店「豚のひととき」を経営する積田優社長は「コロナの影響で客が減っており、スタッフも3分の2くらいに抑えている」と話す。「客足は少しずつ戻ってきているが、感染が再拡大するかもしれない」との不安から、新規スタッフの募集も最低限に抑えているという。