未分類

「闘う相手は人間ではなくウイルス」コロナ感染者らへの中傷が相次ぐ中、ある市が出した宣言とは

「闘う相手は人間ではなくウイルス」コロナ感染者らへの中傷が相次ぐ中、ある市が出した宣言とは

新型コロナウイルスの重点医療機関となった病院で行われた消毒作業

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、千葉県松戸市が「人権尊重緊急宣言」を発表しました。宣言は、新型コロナの感染者や、医療・介護関係者ら、またその家族への差別や偏見、いじめに反対するものです。宣言では「差別や偏見は決して許されるものではありません」と明言し、「闘う相手は人間ではなくウイルスです」と指摘しています。【 BuzzFeed Japan / 冨田すみれ子 】

「差別や偏見は決して許されるものではありません」

「闘う相手は人間ではなくウイルス」コロナ感染者らへの中傷が相次ぐ中、ある市が出した宣言とは

人権尊重緊急宣言

宣言では、感染者やその家族、または医療や介護の現場の最前線で働く関係者など「社会生活を支えるため日々奮闘している多くの関係者やそのご家族に対する差別・偏見やいじめ等が社会問題となっています」と指摘。 そのような差別に対し市は、「人権は、いかなる場合でも尊重されるべき基本的な権利であり、このような差別や偏見は決して許されるものではありません」としました。 また、「感染のリスクは誰にでもあります」とした上で、「偏見や差別的な言動に同調せず、正しい情報と知識に基づいた行動をとることがなにより大切です」と述べています。 宣言の発表について、松戸市行政経営課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対しこう話します。 「都心部を中心に新規感染が増加している中、感染者や医療関係者、物流に従事している人やそのご家族が差別や偏見にあうということが全国で発生しています」 「いくら気をつけていたとしても、誰もが感染する可能性があります。感染者や関係者に対して、差別したりしないでと伝えたいです」 コロナ感染者や医療・介護関係者に対する差別や偏見に関しては、法務省も「許されないこと」と呼びかけてきましたが、実際に、SNSなどインターネット上での誹謗中傷なども散見されています。

市長「なった人に責任はありません」

松戸市の公式YouTubeチャンネルで、本郷谷健次・市長は「一番大切なのは、新型コロナウイルスにかかった人、あるいは関係者に対して、偏見や差別を絶対に行ってはいけないということ」と呼びかけています。 市長は、コロナが松戸市でも感染拡大しており、「市中感染がどこで起きてもおかしくありません」とした上で、「社会みんなでコロナウイルスが蔓延しないように、努力することが必要ですが、なった人に責任はありません」と指摘しました。 また、医療関係者の家族に対しても、「大変、偏見が心配されます」として、こう述べました。 「子どもたちが幼稚園・保育園に行っている時に、お母さん、お父さんが保育士であったり、お医者さんであったりする時に『本当に大丈夫なのか』と、こういう心配をされる方もいます」 「保健所と市が一緒になって感染拡大しないように最大の努力をしていますし、病院関係者においては、普通の人以上に感染しないように、万全な対策をうっています。従って、安心して生活を送る、感染者になったときには拡大しないように、そして皆で助け合うということがたいへん大切だと思います」

各自治体でも、人権宣言や呼びかけ

これまでにも、日本各地の自治体が、コロナ感染者や医療従事者らを差別したり、偏見の目を向けたりしないでと呼びかけてきました。 福岡県では、「新型コロナによる偏見や差別。福岡からなくしていきましょう」として、アニメーション動画も公開しています。 「いまこの瞬間も、医療現場の最前線で、命を守るために新型コロナと闘っている人たちがいます。輸送や販売などの現場で、私たちの暮らしを支えている人たちがいます。…なのに、(『コロナがうつる』『一緒にあそばないで』)そういった方々やそのご家族が、心無い言動や差別的な対応に苦しんでいます。新型コロナによる差別や偏見、福岡からなくしていきましょう」(動画より) 7月末まで感染者が報告されていなかった岩手県では、最初の感染者への非難もあったとして、達増拓也知事は7月29日にTwitterで、このように述べました。 「感染者を誹謗中傷、デマ、差別などから守るためには、鬼になる必要もありです」 インターネット上の中傷などを含め、県は厳格に対応していく姿勢です。

「非難しない」「風評被害を防ごう」

「闘う相手は人間ではなくウイルス」コロナ感染者らへの中傷が相次ぐ中、ある市が出した宣言とは

(イメージ写真)

鳥取県米子市では「新型コロナウイルスに関する人権侵害を防ぐ、3つの宣言」として、以下のことを掲げています。 1:感染者を非難しない 感染は誰にでも起こる可能性があり、感染者は非難される対象ではなく、守られるべき存在です。「自分が感染したら…」と考えた時に、他の人からされたら嫌だと思う事は、他人にもしないという気持ちを持ちましょう。 2:感染者の出た職場や家族を非難しない 感染者だけでなく、その職場、家族などへの誹謗中傷や差別的な言動は、感染の表面化を遅らせ、感染拡大防止の妨げになることを認識しましょう。 3:風評被害を防ごう 感染していないにもかかわらず感染者だという噂を流され、本人のみならず、家族や勤務先が差別被害にあうという事例が見受けられます。新たな風評被害を生まないために、誤った情報や不確かな情報をむやみに拡散しないようにしましょう。 法務省は、電話での人権相談窓口(みんなの人権110番:0570-003-110)を設置しているほか、インターネットでも人権相談を受け付けています。