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阿波おどり中止、損失2億円超…宿泊施設の3割が廃業検討

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、徳島市の阿波おどり(12~15日)が戦後初めて中止となり、地域経済に深刻な影を落としている。民間の調査研究機関では2億円超の損失と試算、宿泊施設の3割が「廃業を検討している」という。感染拡大が続く中、状況の悪化が懸念される。(福永正樹)  市内で催される阿波おどりは、踊り手と観客が演舞場に集中することから3密になるとされ、実行委が4月、中止を決めた。  公益財団法人「徳島経済研究所」などが6月1~15日、徳島市と周辺10市町にある166の宿泊施設を対象にアンケートを実施、64施設(徳島市38施設、徳島市以外26施設)が回答。回収率は38・6%だった。  阿波おどりの中止が発表された4月以降、49施設(徳島市33施設、徳島市以外16施設)でキャンセルが発生。4日間で延べ約1万2600人、計約2億450万円の損失となった。例年、期間中の客室稼働率は平均84%で満室になる施設も多く、客室単価は単純計算で平均1泊約1万6200円にのぼる。損失額が1000万円を超す施設も複数あったという。  また「このまま状況が改善されなければ廃業を検討する可能性がある」「すでに廃業を検討、決めている」との回答が31・3%。収容人員201人以上の大規模施設を除くと、規模別で大きな差異はみられず、「新型コロナで体力が弱っている中で、阿波おどりの中止が追い打ちをかけた格好になっている」という。  一方、県や市町村による公的支援が「やや不十分」、「全く不十分」との回答は82・8%。求める支援策(複数回答)では「阿波おどりに依存しない観光政策」(59・4%)、「県外の観光客の誘致促進」(56・3%)、「代替イベントの実施」(51・6%)、損失補填(ほてん)(50%)の順に多かった。  県内のホテルや旅館を利用した県民の宿泊料を助成する県の「とくしま応援割」など、「マイクロツーリズム」に力を入れる支援策が多い中、「県内需要の喚起」を求める施設は35・9%。収容人員25人以下の小規模施設では25・0%にとどまる一方、201人以上の大規模施設では62・5%に上り「人気の観光地や宿泊施設に需要が偏り、恩恵を受けられない施設があることに注意が必要」とする。  元木秀章・上席研究員は「阿波おどりの中止は、公共交通や土産物、飲食を含め、観光産業全般に影響しており、調査結果は氷山の一角」と指摘したうえで「中小規模の施設では子どものスポーツ大会の中止なども大きい。新型コロナの影響が長引けば地域経済への打撃はより深刻度を増す。実態を丁寧に観察し、様々な視点からの支援が必要」としている。